「ライブ配信なら録画が残らないので、届出は関係ないですよね?」という相談をいただきます。ライブか録画かで、届出が要るかどうかは決まりません。映像送信型性風俗特殊営業の定義は、ライブと録画を分けていないからです。ただし、ライブならではの注意点はあります。この記事では、届出の考え方と、録画販売との違いを整理します。
この記事を要約すると
- 映像送信型性風俗特殊営業の定義は、ライブ配信と録画の販売を区別していません。内容と営業の実態が当たれば、ライブだけでも届出が必要になり得ます。
- ライブで特に気をつけたいのは、年齢確認の順番です。18歳以上の証明や、クレジットカードなどで支払う同意を受けた「後」でなければ、映像を見せてはならないとされています。
- ライブは編集ができません。わいせつに当たる内容や、映り込みへの注意は録画より重くなります。届出をしても、わいせつな配信が許されるわけではありません。
- 録画(アーカイブや切り抜き)を別のサイトで販売し始めるときは、URLが増えるなど届出事項が変わることがあります。
この記事をおすすめしたい方
- チップ(投げ銭)や有料ルームで、成人向けのライブ配信を始めようとしている方
- ライブ配信の録画を、あとからアーカイブや切り抜きとして販売したいと考えている方
- 「ライブだけなら届出は要らない」と聞いて、本当か確かめたい方
自分のケースで届出が要るか確認したい方は、無料相談で配信の形を確認できます。露骨な画像・動画の送付は不要です。
結論|ライブでも録画でも、判断の物差しは同じ
e-Gov法令検索の風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)第2条第8項は、映像送信型性風俗特殊営業を「専ら、性的好奇心をそそるため性的な行為を表す場面又は衣服を脱いだ人の姿態の映像を見せる営業」で、電気通信設備を用いて客に映像を伝達するもの(放送・有線放送を除く)と定めています。第31条の7第1項は、この営業を営もうとする者に、事務所の所在地を管轄する公安委員会への届出を求めています。許可ではなく届出です。2026年10月20日に条文を確認しました。
条文には「ライブなら除く」「録画に限る」といった区別はありません。警察庁の風営法等の解釈運用基準(令和8年7月1日)も、「映像」には静止映像のほか動く映像(動画)も含まれるとしています(第7の2(2))。
| 比べる点 | ライブ配信 | 録画の販売(アーカイブ・切り抜き) |
|---|---|---|
| 届出が要るかの判断 | 内容が「専ら」性的好奇心をそそるための映像か、営業として見せているかで判断 | 同じ物差しで判断 |
| 年齢確認 | 映像を見せる「前」に済ませる仕組みが要る。入室やプレビューの作りに注意 | 購入や会員登録のときに確認する形にしやすい |
| 内容の管理 | 編集できない。その場の行為や映り込みがそのまま届く | 公開前に見直し・編集ができる |
| URLと届出事項 | 配信ページのURLなどを届出書に書く | 別のサイトで売るとURLが増え、届出事項が変わることがある |
「残らないから」「その場限りだから」という理由で、届出の対象外になるわけではありません。どこまでが「専ら」に当たるかは、解釈運用基準のとおり、営業を営む者の意図と営業の実態で判断します(第7の3(1))。無料と有料が混ざる場合の考え方は、映像送信型は無料なら届出不要?「専ら」の考え方で詳しく整理しています。
ライブで違いが出る点①|年齢確認は「見せる前」

風営法第31条の8第2項は、映像送信型性風俗特殊営業を営む者は18歳未満の者を客としてはならないと定めています。そのうえで第4項は、客が18歳以上である旨の証明、または18歳未満の者が通常利用できない方法で料金を支払う旨の同意を客から受けた後でなければ、その客に映像を伝達してはならないとしています。
解釈運用基準は、この「証明」について、単に18歳以上だと自己申告するだけでは足りず、運転免許証などの写しの送付を受けることなどが当たるとしています。また、「18歳未満の者が通常利用できない方法」の例として、クレジットカードによる決済の同意を挙げています(第21の3(3)ア・イ)。
ライブ配信では、録画の販売よりもこの順番が崩れやすくなります。
- 部屋に入るだけで、確認の前に配信の様子が見えてしまう
- 無料の待機画面やプレビューに、成人向けの場面が映ってしまう
- チップ(投げ銭)で途中から内容が変わり、確認していない視聴者にも見えてしまう
ライブでは「誰が、どの時点で、どの映像を見られるか」を、配信を始める前に決めておくことが大切です。届出のときに出す「営業の方法」(風営法施行規則第60条・別記様式第32号)にも、18歳未満の者を客としないための措置を、客の依頼を受ける方法を含めて具体的に書くこととされています。決済や年齢確認の組み立ては、決済・年齢認証・表示の実務もあわせてご覧ください。
配信サービスを使う場合は、そのサービスの年齢確認の仕組みと、自分の配信の見せ方が合っているかを確認します。サービス側の規約に従うことと、法律上の届出や年齢確認の義務は別の問題です。
ライブで違いが出る点②|編集できないから、内容と映り込みに注意
ライブ配信は、録画のように公開前に見直したり、カットしたりできません。届出をしても、わいせつに当たる配信が許されるわけではありません。e-Gov法令検索の刑法は、公然とわいせつな行為をすること(第174条)や、電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録を頒布すること(第175条第1項)を罰しています。ライブ配信の内容によっては、こうした刑法上の問題になり得ます。何がわいせつに当たるかは個別の判断です。
その場で起きることがそのまま届くので、次の点も事前に決めておくと安心です。
- 映り込み:同居している家族や第三者、郵便物、窓の外の景色など、住所や身元が分かるものが映らないか
- 共演者:ほかの人が出演するなら、年齢と出演への同意を配信前に確認する(出演者・共演者がいる場合の確認事項)
- リクエストへの対応:視聴者からの要望で内容を変えるときも、わいせつに当たる行為はしない。断るルールを先に決めておく
自宅から配信する場合の住所の扱いは、自宅を営業所(事務所)にする場合の注意点で整理しています。
録画を販売するときに確認すること

ライブ配信の録画を、あとからアーカイブや切り抜きとして販売する方も多いと思います。このとき確認したいのは、どこで販売するかです。
風営法第31条の7第1項第4号は、映像を伝達する際に使う電気通信設備を識別するための記号を届出事項としています。解釈運用基準は、インターネットを使う営業ではホームページのURL等がこれに当たるとしています(第18の4(5))。また、届出は営業ごとに行い、インターネット利用型であれば通常はホームページ単位になるとしています(第18の4(1))。
- 同じ配信ページ・同じサービスの中でアーカイブを販売する:届出済みの内容のままでよいかを確認する
- 別のサイトや別のサービスで切り抜きを販売する:URLが増えるため、変更の届出や、別の営業としての届出が必要にならないかを確認する
- 他社のサーバーやサービスを使う:そのサーバーの設置者の氏名・名称と住所も届出事項になる(第31条の7第1項第5号)
届出事項に変更があったときは、変更の届出をすることとされています(第31条の7第2項で準用する第31条の2第2項)。手続きの流れは、URLを追加・変更したときの手続きと複数のURLで配信する場合の考え方で整理しています。
なお、配信サービスに出演者として出るだけの場合は、誰が届出をするのかの考え方が変わることがあります。解釈運用基準は、届出書の提出義務を負うのは実質的に映像送信型性風俗特殊営業を営むと認められる者だとしています(第18の4(2))。具体例はFANZAライブチャットは稼げる?届出が必要になる場合で解説しています。
始める前の確認リスト
- 配信の形:自分で配信の場を用意して客からお金を受け取るのか、サービスに出演するだけか
- 年齢確認の順番:入室・プレビュー・チップのどの段階で、どの映像が見えるか。確認の前に成人向けの映像が見えないか
- 内容のルール:わいせつに当たる行為はしない。リクエストを断る基準を決めておく
- 映り込み:住所や身元が分かるもの、家族や第三者が映らないか
- 録画の扱い:録画を残すか、販売するか、どのサイトで売るか
- 届出の時期:届出が必要なら、営業を開始しようとする日の10日前までに届出書を提出することとされています(施行規則第58条第2項)。必要な書類は届出に必要な書類で確認できます
- 制度の全体像:アダルト配信を始めるなら知っておきたい届出
よくある質問(Q&A)
Q1.ライブ配信は録画が残らないので、届出は不要ですか?
いいえ、それだけでは不要とは言えません。風営法の定義はライブと録画を区別しておらず、「映像」には動画も含まれます。見せる映像が専ら性的好奇心をそそるためのもので、営業として客に見せているなら、ライブだけでも届出が必要になり得ます。
Q2.みんなが同時に見るライブは「放送」なので対象外ですか?
インターネットのライブ配信を、それだけで放送と同じだと考えるのは危険です。解釈運用基準は、一般のテレビ放送やケーブルテレビが対象外であることを、放送・有線放送の意味とあわせて説明しています。インターネットの配信が当たるかは、内容と営業の実態で判断します。
Q3.ライブ配信の年齢確認は、いつ行えばよいですか?
映像を見せる前です。風営法第31条の8第4項は、18歳以上である旨の証明や、18歳未満の者が通常利用できない方法で支払う旨の同意を受けた後でなければ、映像を伝達してはならないとしています。入室やプレビューの段階で成人向けの映像が見えない作りにしておくことが大切です。
Q4.届出をすれば、ライブで何を配信してもよいですか?
いいえ。届出は営業を始めるための手続きで、内容を認めるものではありません。わいせつに当たる配信は、届出の有無とは別に、刑法第174条や第175条の問題になり得ます。
Q5.ライブの録画を、別のサイトで切り抜き販売したい場合は?
販売するサイトのURLが増えるため、変更の届出や、別の営業としての届出が必要にならないかを確認してください。届出が必要なのにしないまま営業すると、無届営業の罰則の対象になり得ます。
まとめ・ご相談
アダルトライブ配信でも、届出が要るかどうかは録画の販売と同じ物差しで判断します。映像送信型性風俗特殊営業の定義は、ライブと録画を区別していないからです。違いが出るのは、映像を見せる前に年齢確認を済ませる順番、編集できない配信の内容と映り込みの管理、そして録画を別のサイトで販売するときのURLと届出事項です。
配信の形(自分で配信の場を用意するか、サービスに出演するか)、年齢確認の方法、録画を販売する予定、事務所にする住所が分かれば、届出が要るかの整理から入れます。露骨な画像・動画は送らないでください。ライブ配信と届出を無料相談で確認するをご利用ください。無料相談の対象・範囲は申込みページの最新表示をご確認ください。オンライン相談にも対応しています。受付時間は9:00〜19:00、年中無休です。
監修者
監修:行政書士 梅澤徹
あいりん行政書士事務所代表。神奈川県行政書士会所属、登録第15090451号。映像送信型性風俗特殊営業の届出について、許可でなく届出であること、定義がライブと録画を区別していないこと、年齢確認は映像を見せる前に行う必要があること、届出をしてもわいせつな配信は許されないこと、録画を別のサイトで販売するときの確認点、公的リンク、相談条件を確認し、本稿の構成と表現を監修しています。個別案件の該当性や提出先の運用は、管轄の警察署で確認が必要です。