女性がアダルト配信を始めるとき、多くの方が気にするのは「届出をすると身バレしないか」「本名や住所がどこかに出ないか」という点です。届出が必要かどうかは、女性か男性かではなく、配信の内容と営業の実態で決まります。そのうえで、身バレの心配は「届出」「特定商取引法の表示」「配信の中身」の3つに分けて考えると、何をすればよいかが見えてきます。この記事では、18歳以上の方がこれから始める前提で、届出の基本と、本名・住所・生活を守るための準備を整理します。

この記事を要約すると

  • 映像送信型性風俗特殊営業に当たる配信は、性別に関係なく、営業を始める前に届出をします(許可ではなく届出)。
  • 届出書には本名・住所・活動名・URLなどを書きますが、警察(公安委員会)に出す書類で、視聴者に見せるものではありません。
  • 自分で販売する場合の特定商取引法の表示は、条件を満たせば氏名・住所・電話番号の表示を省略したり、プラットフォームの住所を表示したりできる場合があります。
  • 他人の撮影・制作に出演する場合は、AV出演被害防止・救済法により、契約書・撮影までの期間・公表後の解除などの保護があります。

この記事をおすすめしたい方

  • これからアダルト配信を始めたい女性で、届出が必要かどうかと、身バレが心配な方
  • 本名や自宅の住所を、視聴者や知り合いに知られずに活動したい方
  • 撮影や共演を持ちかけられていて、断ってよいのか、契約はどうなるのか不安な方

届出が必要か、どこまで情報が出るかを整理したい方は、無料相談で現在の状況を確認できます。露骨な画像・動画の送付は不要です。

結論|届出の要否は性別では決まらない

e-Gov法令検索の風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)第31条の7第1項は、映像送信型性風俗特殊営業を営もうとする者が、事務所の所在地を管轄する公安委員会に届出書を提出すると定めています(2026年10月26日に条文を確認)。条文に性別による区別はありません。

届出が必要かどうか(該当性)は、配信の内容や、有料かどうか、どのように売っているかといった営業の実態で判断します。女性だから必要、女性だから不要ということはありません。基礎はアダルト配信を始めるなら知っておきたい届出、無料と有料の線引きは無料なら届出不要?有料との違いと「専ら」の考え方で整理しています。届け出るべき営業に当たるのに届け出ないと、無届で営業した場合の罰則の対象になり得ます。

届出をすることと、身バレを防ぐことは両立します。届出は行政への手続きで、外に向けて公開するものではないからです。次の章で、情報がどこに出るのかを経路ごとに分けて見ていきます。

身バレの経路は3つに分けて考える

届出・表示・配信の中身の3つに分けて身バレの経路を整理する場面

「身バレが怖い」という不安は、どこから情報が出るのかが分からないことから生まれます。経路を3つに分けると、それぞれにできる準備がはっきりします。

経路 何が書かれる・映るか 誰が見るか 主な準備
① 届出 本名・住所・活動名・事務所の所在地・URLなど 公安委員会(窓口は警察署) 活動名と本名を分けて考える。事務所の場所を決める
② 特定商取引法の表示 販売者の氏名・住所・電話番号・価格など 購入を考える人 省略の措置や、プラットフォーム住所の条件を確認する
③ 配信の中身 顔・声・部屋・持ち物・投稿の時間帯など 視聴者・SNSの利用者 映り込みや位置情報を出す前に確認する

① 届出|警察に出す情報で、視聴者に見せるものではない

風営法第31条の7第1項で、届出書に書く事項は次のとおりです。

  1. 氏名又は名称及び住所(法人は代表者の氏名も)
  2. 広告・宣伝のときに営業を示すために使う呼称(活動名・源氏名)
  3. 事務所の所在地
  4. 映像を送るために使う設備を識別する符号(URLなど)
  5. 他の人が設置するサーバーを使う場合は、その設置者の氏名又は名称及び住所

個人で届け出る場合、氏名は本名です。ただし届出書は公安委員会に出す書類で、届け出た本名を視聴者やお客さんに知らせる必要はありません。活動は活動名で続けられます。名前の扱いは本名・源氏名と届出の関係で詳しく整理しています。届け出た情報がどの範囲で扱われるかが不安な場合は、提出前に管轄の警察署で確認してください。

住所の面では、事務所をどこに置くかがポイントです。自宅を事務所にすることもできますが、その住所が届出の対象になります。自宅を使う場合の注意は自宅を営業所にして届出はできるか、自宅以外を検討する場合はバーチャルオフィスで届出はできるかをご覧ください。

② 特定商取引法の表示|自分で販売するなら省略の条件を確認する

自分のサイトなどで有料のコンテンツを販売する場合、届出とは別に、特定商取引法第11条による通信販売の表示が関係することがあります。身バレの観点で一番気になるのは、販売者の氏名・住所・電話番号です。

消費者庁の特定商取引法ガイド「通信販売広告Q&A」では、次のように案内されています(2026年10月26日確認)。

  • 個人でも、氏名(戸籍上の氏名又は登記された商号)の表示が必要です。屋号やサイト名だけでは足りません。
  • 住所は現に活動している住所、電話番号は確実に連絡が取れる番号を表示します。
  • ただし、請求があれば遅滞なく書面や電子メールなどで提供する旨を表示し、実際にそうできる措置をとっていれば、氏名・住所・電話番号の表示を省略できます。
  • 一定の条件を満たせば、取引の場を提供するプラットフォーム事業者や、バーチャルオフィスの住所・電話番号を表示することもできます。私書箱は住所の表示になりません。

プラットフォームやバーチャルオフィスの住所を使う条件は、Q&Aで次の3つが挙げられています。

条件 内容
取引の場 プラットフォームの住所を使うなら、そのプラットフォーム上で取引をしていること
合意 その住所・電話番号を連絡先として使うことについて、運営事業者と合意していること
連絡がつくこと 運営事業者が本人の現住所と本人名義の電話番号を把握し、確実に連絡が取れること

省略しても、請求があれば情報を提供する必要はあります。「どこにも出さなくてよい」という意味ではない点に注意してください。プラットフォームで販売する場合に、表示をどう扱うかは各サービスの規約や案内で確認します。決済や年齢確認とあわせた準備は決済・年齢認証・表示の実務で整理しています。

③ 配信の中身|映り込みと位置情報を先に点検する

法律の手続きとは別に、身バレの多くは配信や投稿そのものから起こります。出す前に、次の点を確認しておくと安心です。

  • 部屋の映り込み:窓の外の景色、郵便物や宅配の伝票、学校や会社の制服・社員証、鏡やガラスへの反射
  • 写真の位置情報:スマホで撮った写真に撮影場所の情報が残っていないか(投稿前に設定を確認する)
  • 声と話す内容:地元の話題、勤務先や通学先が分かる話、背景の生活音(電車の音や地域の放送など)
  • 体の特徴:ほくろ、タトゥー、特徴のあるアクセサリーやネイル
  • SNSのつながり:普段使いのアカウントとの相互フォロー、同じ写真の使い回し、同じメールアドレスや電話番号での登録
  • 投稿の時間帯:毎日同じ時間の投稿や「今から帰る」などの発言から、生活のリズムが分かることがある

なお、顔を出さないことで届出が不要になるわけではありません。届出の要否は、顔出しの有無ではなく内容と営業の実態で判断します。

始める前のチェックリスト

届出と身の安全を、始める前にまとめて確認しておきます。

確認すること ポイント 参考
届出が必要か 内容と営業の実態で判断する。性別・顔出しの有無では決まらない 該当性の考え方
事務所の場所 自宅か別の場所か。届出先は事務所の所在地を管轄する公安委員会 自宅を営業所にする場合
名前の使い分け 届出は本名、活動は活動名。活動名も届出書に書く 本名・源氏名
販売時の表示 自分で売るなら特定商取引法の表示と省略の条件を確認 消費者庁 Q&A
年齢確認 18歳未満を客にしてはならない(風営法第31条の8第2項)。証明や同意を受けてから映像を送る仕組みを整える(同条第4項) 決済・年齢認証
提出の時期 営業を始めようとする日の10日前までに提出(風営法施行規則第58条第2項) 必要書類
撮影の環境 映り込み・位置情報・声・SNSのつながりを点検する 本記事③

撮影や出演を頼まれたら|AV出演被害防止・救済法

出演を頼まれたときに契約書と撮影までの期間を確認する場面

自分ひとりで撮って売るのではなく、他の人が撮影・販売する作品に出演する場合には、別の法律があります。e-Gov法令検索のAV出演被害防止・救済法(令和4年法律第78号)です。内閣府男女共同参画局の案内では、会社だけでなく、個人などが作る場合も対象とされています(2026年10月26日確認)。

性行為を撮影した、専ら性欲を興奮させ又は刺激する映像作品(性行為映像制作物)への出演について、主に次のルールがあります。

ルール 内容 条文
契約は書面で 作品ごとに、書面又は電子データで契約しなければ効力がない 第4条
すぐに撮影しない 契約書などを受け取ってから1か月たつまで撮影してはならない 第7条第1項
撮影の場で断れる 契約で決めた内容でも、撮影の全部又は一部を断れる。断っても賠償の責任を負わない 第7条第2項
公表前に確認できる 公表する映像を、公表までに確認する機会が与えられる 第8条
すぐに公表しない 全ての撮影が終わってから4か月たつまで公表してはならない 第9条
後からやめられる 公表から一定期間は、理由を問わず契約を解除できる(2025年6月23日以降の契約は公表から1年間) 第13条・内閣府の案内

口約束で撮影を始めようとする、すぐに撮ろうとする、断りにくい雰囲気をつくる、といった相手には注意してください。反対に、自分が誰かに出演を頼む側になる場合は、この法律の義務を負う側になります。共演者がいる場合の確認点は出演者・共演者がいる場合の確認で整理しています。

困ったときの相談先

一人で抱え込まず、内容に応じて相談先を使い分けてください。

困りごと 相談先
届出が必要か、どう届け出るか 事務所の所在地を管轄する警察署、行政書士
つきまとい・待ち伏せ・脅しなど、身の危険を感じる 緊急時は110番。緊急でない相談は最寄りの警察署又は警察相談専用電話「#9110」(警察庁の案内)
出演契約をやめたい、意に反して公表された 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター「#8891」(内閣府の案内)
特定商取引法の表示の書き方 消費者庁の特定商取引法ガイド

よくある質問(Q&A)

Q1.女性だと、届出の手続きや書類が変わりますか?

変わりません。風営法の届出の要否や記載事項に、性別による区別はありません。届出が必要かどうかは、配信の内容と営業の実態で判断します。

Q2.届出をすると、本名が視聴者に知られますか?

届出書は公安委員会(窓口は警察署)に出す書類で、視聴者に見せるものではありません。活動は活動名で続けられます。ただし自分のサイトなどで販売する場合は、特定商取引法の表示で氏名などが関係するため、省略の条件を確認してください。

Q3.販売ページに自宅の住所を出したくありません。

消費者庁の案内では、請求があれば遅滞なく提供する旨を表示し、実際に提供できる措置をとっていれば、住所や電話番号の表示を省略できるとされています。一定の条件を満たせば、プラットフォームやバーチャルオフィスの住所を表示することもできます。私書箱は住所の表示になりません。

Q4.顔を出さなければ、届出は不要ですか?

顔を出すかどうかで届出の要否は決まりません。写真が中心でも、内容によっては届出の対象になり得ます。判断の考え方はアダルト配信を始めるなら知っておきたい届出で整理しています。

Q5.撮影や出演を頼まれました。断ってもよいですか?

断って構いません。AV出演被害防止・救済法では、契約は作品ごとに書面で結び、契約書などを受け取ってから1か月は撮影できないとされています。撮影の場でも断ることができ、公表後も一定期間は理由を問わず契約を解除できます。困ったときはワンストップ支援センター「#8891」に相談できます。

まとめ・ご相談

女性がアダルト配信を始める場合も、届出が必要かどうかは性別ではなく、配信の内容と営業の実態で決まります。当たるなら、営業を始めようとする日の10日前までに、事務所の所在地を管轄する公安委員会へ届け出ます。届出は警察への手続きで、視聴者に本名を知らせるものではありません。身バレの心配は「届出」「特定商取引法の表示」「配信の中身」に分けて、それぞれ準備しておくと安心です。

配信の内容、事務所をどこに置くか、販売の方法が分かれば、届出の要否と、情報の出し方の整理から入れます。露骨な画像・動画は送らないでください。届出と身バレの不安を無料相談で整理するをご利用ください。無料相談の対象・範囲は申込みページの最新表示をご確認ください。オンライン相談にも対応しています。受付時間は9:00〜19:00、年中無休です。

監修者

行政書士 梅澤徹

監修:行政書士 梅澤徹

あいりん行政書士事務所代表。神奈川県行政書士会所属、登録第15090451号。映像送信型性風俗特殊営業の届出について、届出の要否が性別ではなく営業の実態で決まること、届出書の記載事項(風営法第31条の7第1項)、特定商取引法の表示と省略の条件(消費者庁の案内)、AV出演被害防止・救済法の主なルール、公的な相談先と公的リンク、相談条件を確認し、本稿の構成と表現を監修しています。該当性の個別判断や、届け出た情報の扱いなど実務の細部は、事務所所在地を管轄する警察署への確認が必要です。