複数のURLや配信アカウントを使う場合、最初の一件の届出だけで自動的にすべてをカバーできるとは限りません。警察庁の解釈運用基準は、インターネット利用型の映像送信型性風俗特殊営業について、通常はホームページ単位で届出を行う考え方を示しています。同一人物・同一法人の運営でも、URLごとの内容、課金、名称、利用者の導線を整理して確認する必要があります。

この記事を要約すると

  • インターネット利用型は通常ホームページ単位で届出を検討します。
  • 同一ドメイン内のページと、別プラットフォーム上の別アカウントは、同じ扱いになるとは限りません。
  • URLを追加する前に、既存届出の変更か、新たな営業開始届出かを管轄警察署へ確認します。

この記事をおすすめしたい方

  • 複数の会員制サイトや配信プラットフォームを併用する方
  • 同じプラットフォーム内で二つ目のアカウントを作る方
  • 独自サイトと外部プラットフォームを同時に運営する方

結論:アカウント数ではなく「営業ごと・ホームページ単位」で整理する

複数URLの届出単位を行政書士へ相談する場面

警察庁「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準」は、映像送信型性風俗特殊営業の届出は営業ごとに行い、インターネット利用型では通常ホームページ単位になると説明しています。

ここで注意したいのは、「一つのドメインなら必ず一件」「一アカウントなら必ず一件」と機械的に数える規定ではないことです。同じホームページを複数セクションに分けている場合、別料金の設定など営業実態によって評価が変わることも、同基準に示されています。

届出件数をURLの文字列だけで決めず、誰が、どの名称で、どの有料映像を、どの入口から客に見せる営業なのかを整理します。

まず作る「URL・アカウント台帳」

複数のURLとアカウントを台帳へ整理する場面

複数運営を始める前に、次の項目をスプレッドシート等で一覧にします。

項目 記録例
管理番号 A-01、A-02など
プラットフォーム・ドメイン 独自サイト、外部サービス名
表示名・呼称 サイト名、チャンネル名、アカウント名
公開URL プロフィール、会員ページ、有料コンテンツ入口
営業主体 個人または法人
事務所 顧客管理・企画等を行う本拠
内容と課金 月額動画、単品販売、ライブ等
開始・停止日 有料公開日、停止予定日
届出状況 未確認、相談中、届出済み、変更済み

「SNSで告知するURL」と「客が映像を見るURL」は別物です。また、同じサービスでもプロフィールURLと個別商品URLが複数発行されます。まず全体を可視化し、そのうえで届出上の営業単位を相談します。

ケース別の考え方

ケース1:同一サイト内に複数の有料コースがある

同一ドメイン、同一運営者、共通の会員基盤でも、セクションごとに別料金を設定している場合などは、営業実態の確認が必要です。警察庁の基準は、ホームページ内の一部で対象映像を見せる場合、別料金の有無等を踏まえて「専ら」の該当性を判断する考え方を示しています。

サイト構造図に、無料ページ、有料コース、年齢確認、決済、映像ページを記載すると説明しやすくなります。

ケース2:同じプラットフォームに二つのアカウントを作る

同じ運営会社のサービスでも、アカウントごとにURL、呼称、料金、顧客層が分かれていることがあります。一件目の届出確認書があるから二件目も当然に含まれるとは考えず、二件目の有料公開前に確認します。

特に、個人名義アカウントと法人名義アカウントを併用する場合は、URL追加だけでなく営業主体の違いが生じます。名義だけを便宜的に変えるのではなく、契約者、売上受領者、運営権限を照合してください。

プラットフォーム名だけで届出要否を決めない理由は、MyFans・Fantiaなどの配信に届出は必要?確認すべき5つのポイントでも解説しています。

ケース3:独自サイトと外部プラットフォームを併用する

独自ドメインと外部サービスのプロフィールは、客から見れば別の入口です。内容を転載しているだけでも、URL、契約先、サーバー設置者、課金経路が異なる可能性があります。

e-Gov法令検索の風営法第31条の7は、映像伝達用設備を識別する電話番号その他の記号等を届出事項としています。様式第31号の備考では、映像を伝達する際に用いるURL等を記載すると明記されています。

ケース4:URLは同じで、ページだけ追加する

同一サイト内のページ追加でも、営業の内容や届出事項が変わる場合があります。反対に、単なる案内ページの追加が直ちに新規届出になるとは限りません。追加ページで何を見せ、誰が課金し、既存会員と共通かを整理します。

URL追加時は変更届か、新規届出か

神奈川県警察の申請書類案内には、映像送信型性風俗特殊営業の開始届出書に加え、営業開始届出書の記載事項等を変更した際の変更届出書が掲載されています。

ただし、URLを増やすケースをすべて変更届で処理できるとは限りません。警察庁の基準が「営業ごと」「通常はホームページ単位」としているため、新URLが既存営業の届出事項の変更なのか、別の営業の開始なのかを確認する必要があります。

確認時には、次の資料を並べます。

  • 既存の届出確認書と届出時のURL一覧
  • 追加するURL、アカウント名、公開予定日
  • 新旧サイトの画面構成と相互リンク
  • 料金、会員管理、決済、配信内容の共通点と相違点
  • 営業主体、事務所、サーバー設置者の新旧情報

新たな営業開始届出に当たる場合、風営法施行規則第58条により開始予定日の10日前までの提出が必要です。変更届に当たる場合、同規則第59条が準用する第42条により変更日から10日以内が原則です。どちらかを公開後に考えるのではなく、追加URLの公開前に手続の種類を確認してください。

新規届出になる場合の準備は、映像送信型性風俗特殊営業の届出に必要な書類もあわせて確認してください。

複数運営で起きやすい5つのミス

  1. 最初の届出に、将来作るすべてのアカウントも含まれると思い込む
  2. プロフィール名を変更したが、届出上の呼称の変更を確認していない
  3. SNSリンクだけを台帳に入れ、有料ページのURLを記録していない
  4. 閉鎖した旧URLを届出上も整理したと思い込む
  5. 複数担当者が別々にアカウントを作り、事務所で全体を把握できていない

管理のコツは、アカウント開設権限を限定し、「公開前確認」の欄を台帳に設けることです。プラットフォーム側のURL仕様変更もあるため、月に一度など運用に合う頻度でリンク切れと公開状態を点検します。

届出前の全体確認には、映像送信型性風俗特殊営業の届出前に確認する10項目もご利用ください。

まとめ

複数URL・複数アカウントの届出は、「運営者が同じだから一件」とも「URLが二つだから必ず二件」とも一律には決められません。営業ごと、通常はホームページ単位という公的な考え方を基礎に、サイト構造、料金、会員管理、営業主体を整理します。

新しいURLを公開する前にURL台帳と構造図を作り、既存届出の変更か新規届出かを管轄警察署へ確認することが、やり直しを減らす近道です。

よくある質問(Q&A)

Q1. 同じ名義なら複数アカウントを一件で届け出られますか?

同じ名義だけでは判断できません。警察庁の基準は営業ごと、インターネット利用型では通常ホームページ単位としています。URL、料金、内容、会員管理等を示して確認してください。

Q2. 同じドメイン内の別ページも別の届出になりますか?

必ず別になるわけではありません。サイト全体の構成や、セクションごとの別料金設定など営業実態を踏まえて判断されます。構造図を用意すると相談が進みやすくなります。

Q3. 二つ目のURLは変更届で追加できますか?

既存営業の届出事項の変更として扱うか、別営業の開始として扱うかは個別確認が必要です。公開前に既存確認書と新URLの資料を管轄警察署へ示してください。

Q4. SNSのアカウントもすべて届出が必要ですか?

告知だけのSNSと、客が有料映像へ接続する際に用いるURLは分けて考えます。SNS上で課金・配信まで行う場合は、その営業実態を含めて確認します。

Q5. プラットフォームがURLを自動変更した場合はどうしますか?

新旧URL、変更日、転送の有無を保存し、変更届等の要否を速やかに確認します。変更日から10日以内の届出が原則となる場合があるため、放置しないでください。

ご相談について

サイト構造図と届出書を公開前に確認する場面

複数URLの案件は、口頭説明だけでは営業単位が伝わりにくいものです。あいりん行政書士事務所では、URL台帳とサイト構造をもとに、届出準備の確認事項を整理します。初回相談の無料対象・時間・方法は公開中の相談案内で最新条件をご確認ください。相談により受理や営業可否が保証されるものではありません。

監修者紹介(監修確認待ち)

監修:行政書士 梅澤徹
あいりん行政書士事務所代表。神奈川県行政書士会所属、登録第15090451号。映像送信型性風俗特殊営業の届出について、営業内容・事務所・公開URL・サーバー情報などの確認を踏まえ、本稿の構成と表現を監修しています。個別案件の該当性や提出先の運用は、管轄警察署への確認が必要です。