映像送信型性風俗特殊営業の事務所を移転するときは、住所表示を直すだけでは足りません。事務所所在地は届出事項であり、届出先を決める基準でもあるため、移転前に旧所在地と新所在地の管轄警察署を確認します。
同じ警察署の管内で移る場合、市区町村をまたぐ場合、都道府県をまたぐ場合では、確認先や提出の流れが変わる可能性があります。新事務所の契約を済ませてから判断するのではなく、移転日、実際の業務開始日、使用権原を説明できる資料をそろえて相談しましょう。
この記事を要約すると
- 事務所所在地は法令上の届出事項であり、管轄公安委員会を決める基準になる
- 旧・新住所の管轄を調べ、どちらへ何を出すか移転前に確認する
- 賃貸借契約書、使用承諾書、建物の登記事項証明書などを準備する
この記事をおすすめしたい方
- 自宅事務所から賃貸オフィスへ移る方
- 同じ県内で市区町村をまたいで移転する方
- 県外移転で旧・新どちらの警察署へ相談すべきか迷っている方
事務所移転では管轄が変わるかを最初に見る

e-Gov法令検索の風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第31条の7は、営業を営もうとする者が、事務所所在地を管轄する公安委員会へ届出書を提出すること、届出事項に事務所所在地を含めることを定めています。
そのため、事務所の移転は二つの意味を持ちます。一つは届出書に記載した住所が変わること。もう一つは、手続を取り扱う公安委員会や警察署が変わる可能性があることです。
風営法施行規則第59条が準用する第42条により、事務所所在地を変更した場合の変更届は、原則として変更の日から10日以内です。管轄が変わる場合の提出順序は全国一律の手順まで法令に明記されているわけではないため、旧所在地・新所在地のどちらへ先に相談するかを両署へ確認します。
郵便番号や住居表示の変更なのか、営業の本拠そのものを移すのかも区別して伝えてください。実態が変わらない表示変更と、業務を行う場所の移転では、確認すべき資料が異なり得ます。
旧・新の管轄警察署を確認する順番
1. 現在の届出内容を確認する
届出確認書、受理番号、現在の事務所所在地、届出時の公開URLを手元に置きます。法人の場合は、法人名、本店所在地、代表者に同時変更がないかも確認します。
2. 新住所を番地・建物名・号室まで確定する
ウェブ上の物件名だけでは管轄を判断できないことがあります。住居表示、ビル名、階、号室まで確認し、都道府県警察の警察署検索や公式の管轄案内で候補を絞ります。
3. 旧管轄へ移転予定を伝える
現在の届出を扱う警察署へ、移転日、新住所、営業主体、URLやサーバーの変更有無を伝えます。旧管轄へ提出する書類、確認書の扱い、新管轄との調整方法を質問します。
4. 新管轄へ必要資料を確認する
新住所側の警察署には、移転後の事務所として扱えるか、使用権原の資料、提出日、予約、必要通数を確認します。県外移転では、旧県の実務をそのまま新県へ当てはめないことが大切です。
移転パターン別の確認表
| 移転パターン | 主な確認事項 | 先に用意する資料 |
|---|---|---|
| 同じ建物内の号室変更 | 所在地記載の変更範囲、使用権原 | 新号室の契約・承諾資料 |
| 同一警察署管内の移転 | 変更届の提出先、添付資料 | 旧・新住所、移転日 |
| 別の警察署管内へ移転 | 旧・新管轄の役割、確認書の扱い | 管轄検索結果、契約資料 |
| 都道府県をまたぐ移転 | 公安委員会間の扱い、提出順 | 両県の公式案内、移転工程表 |
| 法人本店も同時移転 | 法人登記と事務所届出の関係 | 履歴事項全部証明書等 |
| URL・サーバーも変更 | 変更事項をまとめるか、別整理か | 旧・新URL、契約者、切替日 |
表は一般的な確認項目を整理したものです。具体的な提出先と書類は、旧・新の管轄警察署の公式案内または事前確認で確定してください。

変更届と添付資料
e-Gov法令検索の風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則第59条は、映像送信型性風俗特殊営業の廃止・変更届について、別記様式第26号・第27号を用いる仕組みを定めています。
警視庁の変更届出書(様式一覧)には、映像送信型性風俗特殊営業にも用いる別記様式第27号が掲載されています。同様に、神奈川県警察の申請書類等ダウンロードページにも変更届出書があります。
実際に求められる可能性がある資料は次のとおりです。
- 変更届出書
- 現在の届出確認書や受理番号が分かる資料
- 新事務所の賃貸借契約書
- 所有者・管理会社等の使用承諾書
- 建物に係る登記事項証明書
- 法人本店も変わる場合の法人登記事項証明書
- 旧・新住所と移転日をまとめた説明メモ
神奈川県警察の届出案内は、営業の本拠となる事務所について、賃貸借契約書または使用承諾書、建物の登記事項証明書等を案内しています。これは神奈川県の提出実務であり、他地域では追加・省略や書式指定があり得ます。
「事務所として使えるか」は契約前に確認する
移転先の住所を決めても、契約上その業務に使えなければ準備が止まります。契約前に次を確認してください。
- 事業利用が認められているか
- 届出対象業務での使用について貸主の承諾を得られるか
- 法人名または届出者名義で契約・承諾を示せるか
- 郵便だけでなく、営業の本拠として実際に利用できるか
- 建物名、階、号室まで書類上で一致するか
契約書の用途が「事務所」でも、届出対象業務での利用を当然に意味するとは限りません。反対に、物件の広告名称だけで不可能とも決められません。契約条件、利用実態、疎明資料をまとめて確認します。
レンタルオフィス等を候補にする場合はバーチャルオフィス・レンタルオフィスでの届出を、住所以外も同時に変わる場合は届出後の変更事項総点検もご覧ください。
移転と同時に見落としやすい変更
事務所移転では、住所のほかにも変更が連鎖します。
- 法人本店、代表者住所、電話番号
- サーバーやクラウドサービスの契約名義
- プラットフォーム登録情報
- 特定商取引法等に基づくウェブ表示
- 請求書、決済口座、問い合わせ先
- 公開URL、広告で使用する呼称
警察への届出だけを更新し、ウェブ表示や契約が旧住所のまま残ると、営業実態の説明が難しくなります。移転チェックリストを作り、同じ日付と表記で更新できるようにしましょう。
まとめ
映像送信型性風俗特殊営業の事務所移転では、変更届だけでなく、管轄の変更を確認する視点が欠かせません。現在の届出、移転日、新事務所の使用権原、同時変更する事項を整理し、旧・新の管轄警察署へ順に確認します。
移転後に相談するのではなく、新物件の契約と業務開始の前に確認することが、手戻りを減らす近道です。
よくある質問
Q1. 同じ市内の移転でも変更届は必要ですか?
事務所所在地を変更した場合は、原則として変更の日から10日以内に変更届を提出します。同じ市内でも所在地が変われば対象となり得るため、同じ警察署管内かどうかも住所ごとに確認してください。
Q2. 事務所移転の変更届は旧警察署と新警察署のどちらへ出しますか?
移転先と現在地の管轄関係によって手続を確認します。旧管轄へ移転予定を伝えたうえで、新管轄にも必要資料と提出順を確認するのが安全です。一方だけの説明で決めつけないでください。
Q3. 都道府県をまたぐ移転は変更届だけで済みますか?
全国一律に変更届だけで済むとは断定できません。管轄する公安委員会が変わるため、旧・新双方へ、既存届出の扱い、提出先、確認書、移転日を確認してください。
Q4. 賃貸借契約書があれば使用承諾書は不要ですか?
一律には言えません。公式案内では賃貸借契約書、使用承諾書、建物の登記事項証明書などが例示されています。契約内容と提出先の運用に応じて必要資料を確認します。
Q5. 移転前のいつまでに相談すべきですか?
新物件の契約前が理想です。少なくとも、旧事務所を解約したり、新事務所で業務を始めたりする前に、旧・新管轄へ確認できる日程を確保してください。
相談案内

移転先の住所、契約書案、現在の届出確認書、移転希望日、変更するURLや契約名義を一緒に整理すると、確認事項が明確になります。あいりん行政書士事務所では、事務所移転に伴う届出準備について相談できます。無料相談の対象・時間・回数、相談方法は申込み前に最新情報をご確認ください。受理や営業可否を保証するものではありません。
CTA文言候補:事務所移転の届出を行政書士に相談する
監修者紹介
監修:行政書士 梅澤徹
あいりん行政書士事務所代表。神奈川県行政書士会所属、登録第15090451号。映像送信型性風俗特殊営業の届出について、営業内容・事務所・公開URL・サーバー情報などの確認を踏まえ、本稿の構成と表現を監修します。個別案件の該当性や提出先の運用は、管轄警察署への確認が必要です。
※公開前に最終稿の実監修と登録情報の再照合が必要です。