個人名義で映像送信型性風俗特殊営業の届出をした後、会社を設立して法人名義へ切り替える場合、単なる屋号変更と同じようには扱えません。個人と法人では営業を営む主体が異なるため、現在の営業をどう終了し、法人としていつ届け出るかを営業開始前に管轄警察署へ確認することが大切です。

必要な手続が「個人の廃止届+法人の営業開始届出」になるのか、変更届を含む別の整理になるのかは、営業の引継ぎ方、事務所、公開URL、契約名義などによって確認します。法人化した事実だけで手続を一律に断定せず、切替日から逆算して準備しましょう。

この記事を要約すると

  • 個人から法人への切替では、届出者そのものが変わる点を最初に確認する
  • 法人の営業開始届出には、定款・登記事項証明書・役員の住民票などが必要になる
  • 事務所、URL、サーバー、決済、プラットフォームの名義と切替日を一覧化して相談する

この記事をおすすめしたい方

  • 個人事業から株式会社・合同会社へ切り替える予定の方
  • 法人登記後も個人名義の配信アカウントを使っている方
  • 廃止届、変更届、法人の営業開始届出の順番が分からない方

まず確認したいのは「名称」ではなく「営業者」

個人から法人への届出切替を行政書士へ相談する場面

e-Gov法令検索の風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第31条の7は、映像送信型性風俗特殊営業を営もうとする者に対し、事務所所在地を管轄する公安委員会への届出を求めています。届出事項には、氏名または名称、住所、法人の場合の代表者氏名、事務所所在地、映像伝達用設備に関する事項などが含まれます。

ここで区別したいのが、個人の屋号を変える場合と、個人から法人へ営業主体を移す場合です。法人化では、請求主体、口座、契約当事者、責任主体まで変わることがあります。法人名だけを変更届へ書けば終わる、と先に決めないでください。

警察庁の解釈運用基準(令和8年7月1日)第18の1(2)は、性風俗関連特殊営業について、相続や法人の合併・分割等による営業の承継は認められないと整理しています。個人と法人も別の営業主体であるため、まず個人の廃止届と法人の新たな営業開始届出を候補として検討し、提出順序や同日切替の扱いを管轄警察署へ事前確認するのが安全です。

法人化前に整理する7項目

確認項目 整理する内容 なぜ必要か
現在の届出者 個人の氏名・住所・受理番号 既存届出を特定するため
新しい営業者 法人名・本店・代表者 法人側の届出事項になるため
切替日 個人の終了日・法人の開始予定日 届出の順序を決めるため
事務所 所在地・契約名義・使用承諾 使用権原の説明に必要なため
公開URL 継続・追加・廃止するURL 届出単位と設備情報を確認するため
サーバー等 契約先・契約者・識別情報 名義変更の有無を確認するため
決済・媒体 口座・決済・配信アカウントの名義 実際の営業主体とのずれを防ぐため

法人登記だけ先に進め、URLやオフィス契約が個人名義のまま残ると、営業主体が分かりにくくなります。

個人と法人の切替日や契約名義を一覧で確認する場面

想定される届出を3つに分けて考える

1. 個人の営業を終了する届出

個人として営業を終える場合は、既存の届出をどう閉じるか確認します。神奈川県警察の申請書類等ダウンロードページには、映像送信型性風俗特殊営業にも用いる廃止届出書と変更届出書が掲載されています。

ただし、一つのURLだけを止めるのか、個人の営業全体を終えるのかで整理は変わり得ます。廃止日、停止するURL、残る営業の有無を明確にしてください。個人の廃止届は、原則として廃止の日から10日以内です。

2. 法人として営業を始める届出

e-Gov法令検索の風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則第58条では、営業開始届出書を開始予定日の10日前までに提出すると定めています。法人の配信開始日を先に決めるのではなく、届出準備と提出日から開始可能な日を組み立てます。

神奈川県警察の届出案内は、法人の場合の資料として、定款、法人の登記事項証明書、役員の本籍記載の住民票などを案内しています。実際の添付資料、通数、原本・写しの扱いは提出先へ確認してください。

3. 事務所・URL・営業方法などの変更

法人化と同時に、事務所、公開URL、呼称、サーバー、営業方法が変わることがあります。届出者の切替だけに気を取られず、変更項目をすべて洗い出します。

URLの扱いはURLを追加・変更した場合の確認ポイントを、事務所も移す場合は事務所移転と変更届の確認手順を、変更項目全体の棚卸しは届出後の変更事項総点検をご覧ください。

警視庁の映像送信型性風俗特殊営業の案内は、東京都ではホームページごとの届出と案内し、法人について定款・法人登記事項証明書・役員全員の住民票を掲げています。これは東京都の提出実務です。神奈川県など別地域では、その地域の警察案内と管轄警察署の説明を優先します。

法人化で起きやすい4つのずれ

  1. 会社設立日と営業開始日を同じだと思う
    登記成立日と、法人が実際に配信営業を始める日は分けて整理します。
  2. 配信アカウントだけ個人名義で残る
    プラットフォーム上の名義変更可否、法人アカウントへの移行方法を確認します。
  3. 事務所の契約名義が合わない
    個人契約を法人が使う場合、貸主の承諾や契約変更が必要かを確認します。
  4. 旧URLと新URLが同時に動く
    移行期間を設けるなら、双方の運営主体と開始・終了日を説明できるようにします。

法人の登記事項、契約名義、ウェブ上の表示、届出内容は、同じ営業主体を示す状態にそろえることが基本です。

管轄警察署へ相談するときの伝え方

「法人化します」だけでは判断材料が足りません。次の順で事実を伝えると、確認が進みやすくなります。

  • 現在の届出受理番号と個人名
  • 設立した法人の名称、本店、代表者
  • 個人営業の終了希望日と法人営業の開始予定日
  • 継続・廃止・追加するURL
  • 事務所と各契約の旧・新名義
  • 配信内容、課金方法、年齢確認方法に変更があるか

法人側の営業開始前に、個人の廃止、法人の新規、変更届の要否と提出順を確認してください。確認日、担当窓口、回答は社内メモへ残します。

まとめ

映像送信型性風俗特殊営業を個人から法人へ移す際は、会社名の変更ではなく、営業主体の切替として整理します。個人の届出をどう終了するか、法人の営業開始届出をいつ出すか、URL・事務所・契約名義をどうそろえるかが中心です。

法令や公式様式だけでは個別の切替方法まで一律に決まりません。法人名義で営業を始める前に、管轄警察署または行政書士へ具体的な移行計画を示して確認しましょう。

よくある質問

Q1. 個人から法人への切替は、変更届だけで終わりますか?

原則として、変更届だけで終わるとは考えない方が安全です。個人と法人は別の営業主体なので、まず個人の廃止届と法人の営業開始届出を候補として検討します。法人の開始届は開始予定日の10日前まで、個人の廃止届は廃止の日から10日以内が原則です。提出順序は事務所、URL、切替日を示して管轄警察署へ確認してください。

Q2. 法人登記が終われば、すぐ法人名義で配信できますか?

登記完了だけで届出が完了するわけではありません。法人としての営業開始届出は開始予定日の10日前までという法令上の期限があるため、提出日から開始日を逆算します。

Q3. 個人時代と同じURLを法人が使えますか?

URLを継続できるかは、プラットフォーム規約や契約に加え、届出上の扱いを確認する必要があります。URLが同じでも運営主体が変わる事実を省略せず伝えてください。

Q4. 法人の役員全員の住民票が必要ですか?

警視庁と神奈川県警察の案内は、法人の場合に役員の本籍記載の住民票を掲げています。役員の範囲、必要通数、発行日の条件は管轄警察署へ確認してください。

Q5. いつ相談するのがよいですか?

会社設立、事務所契約、配信アカウント移行の日程を確定する前が適しています。少なくとも法人による営業開始予定日の10日前という提出期限に間に合うよう、余裕を持って相談してください。

相談案内

法人化の届出スケジュールを行政書士と最終確認する場面

個人の届出、法人の登記資料、事務所、公開URL、契約名義を並べると、必要な手続を確認しやすくなります。あいりん行政書士事務所では、これらの情報を整理したうえで届出準備について相談できます。無料相談の対象・時間・回数と相談方法は、申込み前に最新の案内をご確認ください。相談時点で受理や営業可否を保証するものではありません。

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監修者紹介

監修:行政書士 梅澤徹
あいりん行政書士事務所代表。神奈川県行政書士会所属、登録第15090451号。映像送信型性風俗特殊営業の届出について、営業内容・事務所・公開URL・サーバー情報などの確認を踏まえ、本稿の構成と表現を監修します。個別案件の該当性や提出先の運用は、管轄警察署への確認が必要です。
※公開前に最終稿の実監修と登録情報の再照合が必要です。